空禅~ku-zen~

畳縁(たたみべり)を使用した、バッグ&小物

みなさん、畳縁(たたみべり)をご存知でしょうか。

畳縁は「畳(たたみ)」の「縁(ふち)」につける補強と装飾を兼ねた布のことで、平安時代からの歴史があり、当時は身分によって模様や色が分けられていました。時代とともに位による模様、色分けは無くなり、今では小紋をあしらった、色とりどりの畳縁ができています。

代表の小野洋一さんは栃木市生まれ。18歳のときに上京し、建設関係の仕事に従事。大手ゼネコンの現場監督を長年行ってきました。その経験を活かして4年ほど前に埼玉県川越市でリノベーション、エクステリアの会社を設立。和室が減少し、また新型コロナウイルスの影響もあり、川越市内の畳店4店が廃業。小野さんは、その状況を目の当たりにして「歴史ある畳の伝統を後世伝え、広めていきたい」と考えるようになりました。

小野さんが目を付けたのは畳縁でした。市松紋様や春日小紋など、日本には29種類の小紋があります。その奥深さや魅力に惹かれていった小野さん。畳縁を活用したブランド「空禅ku-zen」を立ち上げました。

ブランドを立ち上げるにあたり、生まれ育った栃木市に移住を決めました。栃木市への移住の決め手となったのは「蔵の街の古き良き街並みが、空禅ブランドに合った」からだと話します。

小野さんは「生地からデザイン、製造に至るまでを全て栃木県で完結したい」「雇用を生み出し、地域貢献や活性化を行いたい」と今後の展望を話します。既に店舗の一部商品では、栃木市内の社会福祉施設の方が製造した小物やバッグが並ぶなど、地域貢献活動を徐々に進めています。

店舗の外に目を移すと、自作の美しい庭園が広がります。店内や庭の造り、「空禅」というブランドを見ていると、小野さん自身のこれまでの歴史を表現しているような気持ちになります。

店舗では、セミオーダーバッグの注文を受け付けています。