JAしもつけ青果店

「産直」オンラインショッピングサイトがオープン

農業分野の販路拡大は難しい問題です。特に地方農家の販路は直売所などに限られているのが大多数を占めます。販路拡大の助けとなるべく、EC(オンラインショッピング)サイトを立ち上げたのが「JAしもつけ」です。ECサイト構築は、地元農家の販路拡大を図る上で、ひとつの大きな手段であると考えられます。しかし、人件費やそれに費やす時間に対して売上が伴わないという壁に直面します。

「地元農産品を全国に広めたい」というのもECサイトを立ち上げた理由のひとつ。当日収穫した野菜や果物をその日のうちに発送に繋げる農家との協力体制も万全。利用者のメリットは市場を通して小売店で購入するよりも早く自宅に届く、新鮮さです。加えて、送料が無料なのも嬉しい。

今回2軒の農家さんに協力をいただきました。

松本さんは脱サラし、農業を継ぎました。継いだ後、トマト栽培を開始した経緯があります。農業先進国オランダの技術を独自に改良した、ハイワイヤー誘引法(高さ3m以上から茎を釣り下す方法)で栽培しています。この栽培技術は栃木市が発祥となっており、地元トマト農家の方々と試行錯誤してつくりあげたものです。

2軒目はいちご農家の泉田裕美さん宅を訪ねました。旦那さんと息子さんの3人で農業に従事しています。2019年に栃木県が開発、した新品種の「とちあいか」をはじめ「とちおとめ」の栽培をしています。

比較的、自然災害が少ないとされる栃木県ですが、近年は雪害や大雨の影響など自然災害が毎年のように続いています。泉田さんの栽培用ハウスも雪害を受けたひとりです。再建には費用と精神的な苦労もあったと感じます。

取材させていただいた2軒の農家さんは、今日までの苦労が無かったかのように、明るい方々でした。農業分野は、人材が不足する厳しい状況が続いています。JAしもつけの取り組みで、全国の方々に栃木市の美味しい農産物を食べてもらいたい。そしてその声をSNSやご近所の方でも身近な人に伝えてもらいたい。その声が農家さんに届くことで、農家さんのモチベーションのアップ、さらには農業従事者増に少しでも繋がれば最高の結果に繋がるでしょう。